桜が求めた愛の行方

6.スイートハート?!


国際線ターミナルの到着ゲートから
ひときわ目立つハンサムな外国人と見られる男が出てきた。

背が高くスラッとした身体に、オーダーの
ブランドスーツ姿は、どこから見ても
ファッションモデルそのもので
すれ違う誰もが振り返る。

旅行鞄を置いてネクタイを緩めた
彼の姿は切り取られた映画のワンシーンの
ようで、うっとりしてしまう。

きょろきょろと人を探しだす様子に
さくらは我に返った。

さあ、観賞タイムはそろそろ終わりに
しないと。

『ニール!』

控えめに呼んで手を振った。

サングラスを外し輝く笑顔を見せた彼に
周りにいた女性達がため息をつく。

手を振る彼の相手を追う痛い視線が
こちらに刺さった。

うーん、その視線に優越感を感じられたら
どんなにいいかしら。

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