花嫁に読むラブレター
「マイアちゃん、一緒にみんなのおやつを作りましょう」
フィーネがマイアの部屋にやってきて、満面の笑みで言ったのは昼食のすぐ後のことだった。
お昼を食べたばかりで、部屋から見える景色をぼんやりと眺めていたマイアは、眠気をこらえるのに必死だった。
窓を開けて風を取り込んでみたりもしたが、暖かい風は余計にマイアを夢の世界へと誘おうとするばかり。何度も目をこすり、あくびをかみ殺す。我慢できなくなった頃、目尻に涙をうっすらと浮かべながら大口をあけてあくびをしていたとき、フィーネがやってきた。
マイアの返事を最初からきくつもりはなかったのか、部屋に入るなり、言うだけ言ってマイアの手を取った。そのまま引きずるようにキッチンに向かうと、昼食後の後片付けで忙しそうに働くレナータとカーヤがいた。
素早く気配に気づいたのはカーヤで、流しっぱなしの水をそのままに体ごとマイアに向き直った。瓶底のように厚い眼鏡のふちに、飛沫がいくつも飛んでいる。
「ま、マイアさん! このような汚い場所に――」