花嫁に読むラブレター

 やがて、ステイルから届く手紙の頻度が減り、一か月に一度に落ち着いてきた頃、事件は起きた。

 窓をしっかり閉め、読書の合間に窓の外で降り続ける雪を、マイアは視界に収めていた。ひらひらと、花びらが舞うような雪だった。大粒で軽い雪は、それほど積もりはしないだろう。ただ身を切り刻むような寒さが深くなるだけである。

 暖炉の中で薪が爆ぜ、細かい火の粉と灰が躍った。

 ときおり薪が崩れる音を聞きながら、マイアは再び視線を手元の本に戻す。簡単な文字は読み書きできたが、ここ、アルヴィオンに来てからは、フィーネが時間を見つけてはさらに深く教えてくれた。そのおかげか、文字を追う楽しみを覚えたマイアは、クラウスの書斎に眠る本を借りて読む機会が増えた。子供向けの絵本くらいしかまともに読んだことのなかったマイアは、たちまち本の魅力に囚われ、毎日のように読書に勤しんだ。知らぬ間に、外が暗闇に覆われるまでのめり込み、ユンの苦笑を誘うことも珍しくない。
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