花嫁に読むラブレター

 小走りでマイアの傍まで寄ってきて、「ん」と手紙を差し出してきた。

 マイアは腰をかがめて受け取ると、レムの頭を撫でながら「ありがとう」と言った。そのときのレムの笑顔は、昔出会ったばかりの頃のユンの笑顔にそっくりだった。照れて目を細めて笑うと、長いまつ毛だけが顔の上に落ちているようだ。

「あんたらの若い頃によく似てるよ」

「わたしもそう思う」


 苦笑を浮かべるマリーおばさんに、マイアは頷いてみせた。

 そして思う。

 レムに好きな女の子ができたとき、自分はきっとやきもちを焼くのだろう。

 だって、キスの嵐を起こしたくなるほど、ユンにそっくりなのだから。



 終わり

< 227 / 227 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:14

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

ウサギの配達屋

総文字数/3,990

絵本・童話6ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
カラダが透けてる派手なドレスを着た貴婦人。 歌をうたう蜘蛛。 クワガタに喋りかける老人。 ……配達屋の恰好をした、うさぎのブラウニー。 ぼくが今見ている「コレ」は夢?
場所

総文字数/1,510

その他2ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
私の好きなものは、 脂ののった秋の秋刀魚と白いご飯。 それと、 おばあちゃん。
隣のオアシス

総文字数/12,150

ファンタジー21ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
『災厄』が訪れた日から、世界は荒れた。 水も食料も満足に得られない日々。 そんなときに、アキラはある少女と出会う。 ユリと名乗った少女は、歌を歌っていた。

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop