花嫁に読むラブレター

 短い言葉を書き終えたマイアは、満足げにステイルを見上げた。しかし、当のステイルは、呆れたようにため息をついた。奥で様子を見ていたマリーおばさんもいつのまにかテーブルの近くまで来ていて、「まったくこの子は……」と、いつも叱咤が飛んでくる一歩手前の表情でマイアを睨んでいる。

 次の瞬間、シェリィが大声で泣き始めたのだ。

「な、なに、どうしたの……」

 シェリィは大粒の涙をぽろぽろこぼし、小さな鼻の穴から鼻水を垂らして嗚咽交じりに叫ぶ。

「うまく、書けてた、の……!」

 一瞬なにを言っているのかわからなかった。だが、すぐにそれが書き物を差しているとわかり、マイアの表情がさぁっと青ざめる。

「ご、ごめん」

 慌てて手にしていたペンをシェリィに渡そうとするが、シェリィは受け取ろうとしない。

 泣き声は激しさを増すばかり。見かねたマリーおばさんが頭を撫でたり抱き上げたり、懸命になだめるが泣きやまない。

 そしてステイルの、あのひと言である。
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