花嫁に読むラブレター

 今度は湖を見て声をあげた。

 湖の底のほうを覗きこんでは目をきらきら輝かせ、静かに流れる水に手を浸ければその冷たさに驚きの声を出す。泳ぐ魚をもの珍しそうに見つめる青年は、きっとマイアより年上だろう容貌だが、動作ひとつひとつが幼い子供のようであった。

 ベンチに腰をかけ、じっと青年を見つめていると、ふと気配に気づいたのだろう。顔を上げ、目が合うと驚いたように目をまんまるくさせた。中腰になっていた青年は、慌てて立ち上がろうとし、足元を滑らせそのまま湖の中に落ちてしまったのだ。

「あ……!」

 マイアは慌てて駆け寄る。深さはないので、命の危険は心配していないが、水の冷たさに足を攣ってしまっておぼれてしまうことだってある。

 しかし、青年は水面から顔を覗かせ、白い歯を見せて笑った。

「びっくりした。人がいるなんて思わなかったよ」
「……大丈夫?」
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