花嫁に読むラブレター

 ユンはマイアからハンカチを受け取ると、ふにゃりと笑い、頬を染めた。

「ありがとう……。なんか甘い匂いがするね」

 そんなやりとりを続けているうちに、ユンの裸にも慣れた。

 背中や腰のあたりに水滴を見つけては、「ユン、ここも濡れてる」と教える。ユンはそのたびに微笑んだ。ふわふわと漂う雲のような柔らかい笑顔だと思った。

 初めて会った人間なのに、警戒心を一切抱かせない青年である。

 ベンチに腰をかけ、二人で湖や空を眺めた。

 気心知れた人間としか、ここには来たくなかったし、せっかくの場所が落ち着けないと今まで思っていたが、ユンは違う。次第に、マイアはユンに対して、ずっと昔からの友人のように思えてきたのだ。

「ねえ、なんでここに来たの?」
「うん。この湖が綺麗だってずっと聞いていたから、いつかは見てみたいって思ってたんだ」
「……そっかあ。じゃあ、ここって有名なんだね」

 そういうマイアの声は少し沈んでいた。

 気づいたユンが心配そうに、マイアの顔を覗きこむ。
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