花嫁に読むラブレター
「誕生日のプレゼント。ちょっとすぎちゃったのは許してよね。……ねえ、もうちょっと嬉しそうにしてくれてもいいんじゃないかな」
ステイルが眉をゆがませた。
マイアはというと、すっかり眠気など吹っ飛んでしまっていた。ステイルの意図がわからず頭が真っ白になる。一瞬、自分の都合のいいように解釈しようとして、すぐに心の中で首を横に振る。違う。だって、ステイルがわたしのことを好きでプレゼントを用意してくれていたのだとしたら、ユンとの結婚に反対してくれるもの。そうわかっているのに、己惚れた心は完全には消えてはくれず、マイアの頬を赤く染めた。そしてすぐに冷静さを取り戻すと、今度はなぜ? という疑問が残り、マイアの表情がみるみるうちに雑駁とした面持ちになる。
そんなマイアの困惑に答えるように、シェリィに絵本を読んで聞かせていたマリーおばさんが振り返り、おや、と驚いた声をあげる。
「ステイル、ようやく貯まったのかい。よかったじゃないか。――マイア、さっさと開けちまいなよ」
触れることすら憚っているような、手のひらをぴんと広げてステイルに渡された箱をのせたままのマイアに、マリーおばさんはぴしゃりと言い放った。