花嫁に読むラブレター

 ――想像していたより、ずっと高そう。

 とても立派な首飾りだ。細い鎖は光なんかなくてもきらきらと金色に輝き、中央の青い楕円形の宝石を囲むようにして、周りには細かいダイヤがいくつも散りばめられている。親指の爪ほどの大きさで、決して大きなものではないが、箱から出した首飾りはずっしりと重い。深い湖の底を思い出させる、澄んだ青い宝石がはめこまれたこの首飾りは、絶対に値打ちものだ。

 手を伸ばしても、空には到底届かないのと同じように、マイアには一生縁のないもののひとつ。それなのに、どうして……。それに、こんな高そうなものを買うお金なんかないはずだ。月に一度貰っているお小遣いでは、街の焼き菓子を買うのが精一杯なのだから。

 青ざめながら、マイアはステイルの顔を見た。

「――マイア、もしかして覚えてないの?」

 ステイルの声が、訝しげに曇る。

「な、なにを……?」

 マイアの返事に、ステイルは大きなため息をついた。隣で見ていたマリーおばさんも呆れた顔をする。二人の様子を見て、マイアはさらに動揺した。
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