花嫁に読むラブレター
「あんた薄情だねえ……。小さいころステイルがあんたに花の首飾りを作ってやったの覚えてないのかい?」
「え、え? それは覚えてるわよ。でもそれと、どんな関係が……って、あ!」
「やっと思い出したのかい」
まだ、今のシェリィと同じ年頃だった。毎晩読んでくれる絵本に出てくるお姫様は、いつもきらきら輝く首飾りをつけていて、マイアは何かあるたびに「首飾りが欲しい」とねだっていた。あれが欲しい、これが欲しい、と我儘が多かったマイアに、マリーおばさんもブラウンおじさんも、駄目だと首を横に振るだけだった。断られるたびに、マイアは大泣きをし周囲を困らせていたものだ。いつもの悪い癖だ、と放置されている泣き叫ぶマイアの手を握って、湖を教えて慰めてくれたのはステイルだった。
しばらくしてからだ。ステイルが花で作った首飾りをマイアに持ってきたのは。けれど、マイアは違う、と涙目で訴える。「本物の首飾りが欲しい」と、さらなる我儘を叫んだのだ。