花嫁に読むラブレター
――思い出した。
「え……、え? でも、どうやって……」
「あんた知らないだろう。あんたが我儘言ったあとにねえ、ステイルがあたしらんところに来て、『マイアに首飾りをあげたいからお小遣いが欲しい』って頼みにきたんだよ。月の小遣いじゃ足りないってんで、じゃあ少しだけど手伝いをしたら渡そうって話になったんだよ。あんたときたら、小遣いはその日に使っちゃうだろう? そのうえ、誕生日に何もくれないなんて気の利かない男だとかなんとかをステイルに言ってるのを聞いたときは、あたしよっぽど言ってやろうかと思ったよ」
マリーおばさんの言葉を聞きながら、マイアは胸が熱くなるのを感じていた。
嬉しかった。
『ねえ、なんでステイルはわたしの誕生日に何もくれないの? わたしはクッキー食べるの我慢してまでステイルにハンカチを買ってあげたのに。ばっかみたい!』
記憶に新しい、ステイルに漏らした不満だ。
知らなかったとはいえ、なんて度し難い台詞を吐いたのだろう。思い出しただけでも涙が出そうになった。