花嫁に読むラブレター

 たかが数か月の我慢だ。ステイルにプレゼントしたハンカチは、決して高価なものではない。贈り物は気持ちだ、なんて囁かれてはいるが、その気持ちですらステイルに劣っている。ステイルがマイアを好きだとか、好きではないだとか、そんなことは些末な問題なのだ。だって、マイアは自分の欲を一番に選んだ。もっと高いものを贈ろうと考えれば、自分の欲しいクッキーなんていくらでも我慢できた。けど、しなかった。だがステイルはどうだ? 一年や二年ではない。その間、自分が欲しいと思うものだってあっただろう。しかし、その欲よりもマイアへの贈り物を選んだのだ。マイアが誕生日に何もくれない、と我儘し放題に嘆いたとき、ステイルはどうしていた? 嫌な顔ひとつしなかったではないか。


 自分がステイルの立場だったら?


 きっと、本当のことを全部喋って、腹をたてていたであろう。誰のために、好きなものを我慢しているのだ、と。毎年の誕生日になにも贈れないほど我慢させているのは誰なんだ、と。
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