花嫁に読むラブレター
(――だから子供っぽいって言われるのよ)
唇をかみしめ、首飾りを持っていないほうの手を強く握った。
喉がちりちり痛み、目尻が熱をもつ。恥ずかしいのと、情けないのと、自分自身への怒りで泣きたくなった。
嬉しい。胸が焼けてしまいそうなほど熱く、喜びをこんなにも感じているというのに、それでも素直な気持ちでお礼が言えないのは、きっとステイルがあまりにも大人で、マイアがあまりにも子供だから。たったひとつしか歳は変わらないのに、この差はなんだろう。
「もしかして迷惑だった? やっぱり首飾りはやめておいたほうがよかったかな。ユンさんが知ったら――」
「違うわ!」
マイアの叫び声が、ステイルの言葉を遮った。
珍しく、驚いたように目をみひらいたステイルも、マリーおばさんの上で眠っていたシェリィも、暖炉の前で戯れはしゃぎまわっていた他の子供たちも、いっせいにマイアを見た。しんと静まった部屋の中、暖炉の火がぱちぱちと爆ぜる音だけが小さく聞こえる。
嬉しいという気持ちが少しずつしぼんでいく。
こんなにも大勢の前で、ユンの名前を平気で出せるステイルが、ちょっとだけ憎いと思った。少しでも自分のことを思ってくれていたのなら、きっとユンの名前は出ない。二人きりになってから、そっと告げるものじゃないのか。ステイルが自分のことを女として――異性としての感情を持っていないことは、気づいていた。だが、こんなところで決定的に見せつけられると、みじめな気持ちになる。