花嫁に読むラブレター

 木製のカップからは湯気があがり、甘い香りがマイアを落ち着きなくさせた。マイアとユンの目の前に置かれたカップの隣には、クッキーとチョコレートが人数分、小皿に載っている。

 真っ先にクッキーに手を伸ばしたい気持ちをなんとか抑え、ほんのりお酒の香りがするホットミルクをひと口飲んだ。臓腑がじんわりと温まり、マイアの頬を染める。家で飲むミルクも好きだが、ちょっと高貴な気分に浸れるこのミルクも好きになりそうだ。なんていったって、普段は飲むことのできないお酒を味わえることで、自分が少しだけ大人を満喫しているような気持ちになれる。

 気分のよくなったマイアは、そのままクッキーをひと口食べる。

「マイアさん、一緒に食べる?」
「え、いいの?」

 マイアはユンとその目の前に置かれたワッフルを交互に見て、顔を輝かせた。

 こんがりキツネ色に焼かれたワッフルの上では、もうすでに溶け始めているアイスクリームが琥珀色のシロップと混ざっている。
何重にも蓋をして押し込めていた食欲が、いっきに飛び出す。がつがつしていると思われたくなくて、マイアにしては珍しく控えめに装っていたというのに。これではせっかくの努力も台無しだ。けれども、ユンが差し出してくれた誘惑の言葉を跳ね返せるほど、マイアの意思もそれほど頑なではなかった、というだけである。
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