オリガク! -折舘東学園の日常的(恋)騒動-
気まずくなるのだけは避けたくて、気にしてない素振りを見せちゃったけど。
何事もなかったような雰囲気になったら、あったのかもしれない気まずささえ、恋しくて。
「ぷっ……真っ赤」
「何をしたいと思ってるんだか」
「~っからかわないでよ!」
にやにやするミヤテンとミーアに見られないよう、髪を引っ張って顔を隠す。
「応援してあげてるんでしょーが」
分かってるよ。
まだ、どうすればいいかは決めてないけれど。
「行ってまいります!」
すくっと立ち上がり、戦場へ赴くがごとく挙手の敬礼をすると、ふたりも指先を揃えた手をビシッと額に翳す。
「今後も報連相を怠らないように」
「ドリンクごくろうであった」
なんだかんだ乗ってくれるふたりに笑みをこぼしてから、足早に体育館をあとにする。
本日の活動内容、運動部への無償サポート。
なんてレポートには書けないけど、要は高総体が近いため、マネージャーがいなかったり部員が少ない運動部に溜まった雑用なんかを、代わりに引き受けますよってことだ。
私はラインズマンや羽拾い、買い出しにボール磨き、ドリンク作りをした。あと筋トレの回数を一緒に数えてくださいって頼まれたから、声出しもやった。
別行動だった虎鉄とバクが何をしていたかは分からないまま、本日の活動も無事終了する時刻が近付いている。