オリガク! -折舘東学園の日常的(恋)騒動-

気まずくなるのだけは避けたくて、気にしてない素振りを見せちゃったけど。


何事もなかったような雰囲気になったら、あったのかもしれない気まずささえ、恋しくて。


「ぷっ……真っ赤」

「何をしたいと思ってるんだか」

「~っからかわないでよ!」


にやにやするミヤテンとミーアに見られないよう、髪を引っ張って顔を隠す。


「応援してあげてるんでしょーが」


分かってるよ。

まだ、どうすればいいかは決めてないけれど。


「行ってまいります!」


すくっと立ち上がり、戦場へ赴くがごとく挙手の敬礼をすると、ふたりも指先を揃えた手をビシッと額に翳す。


「今後も報連相を怠らないように」

「ドリンクごくろうであった」


なんだかんだ乗ってくれるふたりに笑みをこぼしてから、足早に体育館をあとにする。



本日の活動内容、運動部への無償サポート。

なんてレポートには書けないけど、要は高総体が近いため、マネージャーがいなかったり部員が少ない運動部に溜まった雑用なんかを、代わりに引き受けますよってことだ。


私はラインズマンや羽拾い、買い出しにボール磨き、ドリンク作りをした。あと筋トレの回数を一緒に数えてくださいって頼まれたから、声出しもやった。


別行動だった虎鉄とバクが何をしていたかは分からないまま、本日の活動も無事終了する時刻が近付いている。
< 135 / 197 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop