ショコラ SideStory
「今日はこれしかチョコレート系は作ってないんだ」
「いいわよ。美味しそう」
「特別にマンゴーつけておいた」
『愛されたいの』
願うだけだと独りよがりで、孤独な感じがするけれど。
要は私も、確かめるのを怠っているってことなのよね。
彼が私にくれるケーキは、いつもどこか特別で。
そこに潜む『愛してるよ』を今までずっと探しそこねていたんだわ。
「……マツくん達、きっといつか結婚するわよね」
「あ? そんな話聞いてないけど」
「結婚するタイミングの話とかしてたのよ。でね。マツくんはあなたを尊敬してるんだって。
ってことは私とあなたは、彼らの目標のおしどり夫婦にならなきゃいけない訳」
「いけない……のか? まあいいけど」
「だから。今日は帰ってくるのを楽しみに待ってる」
「ん?」
訳がわからない、という顔の隆二くん。