ショコラ SideStory
「お待たせしました。『ショコラ』のものですが」
振り向くと、そこには宗司さんがいた。
あたしの背中をポンと叩き、その後さくらちゃんに視線を合わせるためにしゃがみこむ。
「ご注文のケーキですよ?」
「わあ! いくちゃんママ。さくらはこれを買いに行ってたんです。いくちゃんママにプレゼントです」
宗司さんから紙袋を受け取って、さくらちゃんは嬉しそうに笑う。
いくちゃんママは、怒ったらいいのか喜んだらいいのか分からなくなったみたいで、困ったようにさくらちゃんを抱きしめた。
「さくらから、いくちゃんママにありがとうです」
「うん。ありがとう」
泣けるわー。義理の親子の愛。
あたしと親父より愛が深いかも知れないわ。
さくらちゃんは、ママの腕から離れるととことことあたしの傍にやってきた。
「あの、おねえさん、お金」
そうしてあたしの前に、手のひらを広げる。
百円玉が、一つ、二つ、三つ。