ショコラ SideStory
「急にどうしたのよ。まさか子供出来たとか言わないわよね」
「ぶっ」
そしてそう突っ込んでくる?
やめてよ。あたしは母さんたちとは違うわよ。
「ちゃんと避妊してます!」
「そういうことしてるのは否定しないのね? まあいいけど。そうよ、避妊大事」
「だから大丈夫よ」
「馬鹿ね。それでも絶対なんてこと無いのよ。そういう行為をするときはそれなりに覚悟しておきなさい。全部が男のせいって訳でもないわ。合意なんだから」
「う……」
そうなの?
なんとなく、避妊さえしてれば大丈夫って思ってた。
「母さんたちは、避妊してて妊娠したの?」
「いや? してなかったから妊娠したんだけどさ、あはは。でも私は嬉しかったわ。生まれてきたのがアンタだってのも最高よ。娘って楽しいわよね。こうして赤裸々な話もできるし」
「そう?」
「そうよ。まあでも、若気の至りだったことは認めます。詩子は気をつけなさい」
「うん」
母さんと話してると、やっぱり一枚上手だなって気になる。
元々母さんって、一般的なお母さんっていうよりは“女の先輩”って感じなのよね。
「さて、着替えてこようっと」
荷物を抱え上げて、母さんは自室へ向かう。あたしはその後姿を見ながら呟いた。
「でも、話はずれたなぁ」
なんで避妊云々の話になったんだったっけ。