ショコラ SideStory

 結局、宗司さんは一緒に片付けもして、家まで送ってくれた。帰り際に触れるだけのキス。名残惜しいけど、流石に親も住んでる自宅に泊まっていけとは言えないわ。


「ありがと。また明日ね」

「うん。明日楽しみだね」

「なにが?」

「詩子さんの初仕事、喜んでもらえるよ、きっと」

「そうだといいけどね」


鈍感でボケっとしてるけど、宗司さんの何気ない一言は、あたしの胸を暖かくする。


「喜んでもらえたら二人でお祝いしましょ?」

「なんで二人? 俺が詩子さんをお祝いしてあげるよ」

「宗司さんがいなかったら、あたしはこの仕事任されてないわよ」


投げ出さずに頑張れって、ずっと傍にいてくれたから。
だからあたしは頑張れた。


「定休日が楽しみ」


素直にそう言うと、驚くようなことが起こった。
一言も発する暇も無い位の素早さで、あたしは宗司さんに抱きしめられていた。


「宗司さん?」

「なんでそんな可愛いの、詩子さん」


なんか今日は積極的だな。一体どうしたってのよ。


「なんでって」

「このまま連れて帰りたい」


うおー、来た! 殺し文句。
ホントどうしちゃったの。珍しいわ、珍しいわよ。積極的な上に甘い言葉吐きまくりだけど。

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