ショコラ SideStory


 そして二十三日。あたしが出勤すると、親父はすでにバースデーケーキの飾り付けを終えていた。


「随分綺麗な感じなのね」


白いクリームの一般的なケーキなんだけど、飾り付けがバラを模したチョコやベリー系のフルーツでまとめられていて、純粋そうでいて可憐なイメージのケーキだ。


「ママっぽいケーキじゃなくない?」

「葉山くんもパパっぽくないだろ。その奥さんだからあんまり所帯じみてないのかなと思って」

「なるほど」


それは納得できるかも。


「今日は土曜だから連れてくるって言ってたぞ」

「へぇ。楽しみね」


 あたしたちが楽しみにしていた葉山一家は、ランチタイムの直前にやってきた。


「いらっしゃいませ」

「こんにちは」


葉山さんの隣で小さな赤ん坊を抱っこしながら微笑むのは、スレンダーな感じの美人だ。
えーこの人ホントに子供生んだばっかり? 痩せすぎじゃないの?


 注文の品は包む前に出来上がりを確認してもらうことになっている。

葉山さんや奥様の視線も気になるけど、一番気になるのは娘さんかも。子供は率直なだけに何を言い出すかわからない。

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