ショコラ SideStory
親父も頭ごなしに夜遊びとかには反対してたけどな。
あたしは言ったけども。うざいとかうるさいとか。
だってあたしは悪いことなんて絶対しないし。変質者も自分で倒せるし。
そうよ。要は自分のポリシーを貫かなきゃダメってことで。
「子供たちはそうかも知れないけど。宗司さんはそれじゃダメなんじゃない?」
「え?」
あたしの身も蓋もないような言葉に、彼は困った顔をする。
「あなたもう大人だもの。信念があってそういう授業をしたんでしょ。だったら最後までやり通さなきゃダメよ」
だけど、お母さんたちにはお母さんたちの言い分がきっとある。
“お客さん”なんだもの。
この間、あたしが親父に怒られたことと同じ。
お客さんはお金を払ってオーダーする。
望みのものを作って欲しくて。
この場合の望みは、“子供にちゃんと勉強させて欲しい”なんだわ。
「……親は、子供が賢くなって欲しいから塾に行かせるのよ。そうでしょ? ただ勉強するだけなら学校で事足りるんだもの。ただ漫画持って行ったって事実だけじゃ、遊んでるって思ってしまっても仕方ないわ」
「うん」
「信念があってそうしたんなら、親御さんに分かるようにちゃんと説明しなきゃ。お金もらってるんだもの。説明責任ってやつがあるのよ」
「……詩子さん」