ショコラ SideStory

私はイライラしながら、隆二くんに再び連絡をとるよう促す。


「あ、もしもし。香坂さん、どこにいるんですか」

『すまん。出掛けにオーダーの行き違いがあって。待たせてすまない』


隆二くんがハンズフリーにして敢えて私たちにも理由を聞かせてくれる。

いやいや、行き違いがあったから何よ。
それでも連絡の一つくらいは出来るはず。

私が電話を睨むと、察知したのか隆二くんが気遣うような声で返事を返した。


「とにかく覚悟してきてください」

『覚悟って? なんの?』


訳が分からないといった様子で電話は切れ、そこから二十分後、ようやく香坂くんが登場した。


「あ、香坂さぁん」


嬉しそうな顔をする森宮ちゃんがいじらしくて。
すかした顔してやってくる香坂くんには苛立ちが募るばかり。


「すみません。遅れて」

「香坂さん、遅いですよ」

「鍋が空になる前に来てくれて良かったぁ」


違うでしょ、森宮ちゃん。
おかしいわよ、待たされることに慣れすぎ。
あなた、こんな扱い受けていいような女じゃないでしょ?

お酒も入っているからか、自分自身も抑制が効かない。
頭がカーっとなって、私は素直に苛立ちを爆発させた。

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