ショコラ SideStory
「……いいわよ。森宮ちゃんが許してるのに私が怒る筋合いのことでもないわ」
「煮えすぎてクタクタになってますよ。食べましょう? 私、四人で食事出来るの楽しみにしてたんですから」
「そうだな。香坂さんどうぞ。お腹すいたでしょう」
森宮ちゃんが間をとりもち、隆二くんが器に取り分ける。
穏やかな二人に、これ以上いきり立つことも出来ない私は、仕方なくお酒を追加注文する。
こうなったらやけ酒だわ。今日は隆二くんもいるし、酔いつぶれたってなんとかしてくれるだろう。
「森宮ちゃんも飲みましょ」
「はい」
私と一緒にお酒を煽る森宮ちゃんを、香坂くんは心配そうにチラチラと見ている。
「綺夏、飲み過ぎじゃないのか?」
「大丈夫です」
「でも目つきがおかしいぞ」
「香坂さん、普段私にそんなに興味無いくせに、こんな時ばかり保護者面しないでください」
あら。眼の前の二人の会話がおかしくなってきた。
空になった鍋を店員さんに運んでもらうと、視界が広がって二人がよく見える。
森宮ちゃんは酔っぱらいのスネ顔、香坂くんは真剣に焦り始めている。
店に入ってかれこれ一時間半。ようやくお酒の許容量が超え、本音爆発モードになったらしい。