ショコラ SideStory


ようやく注文の品を出し終えた時には、和美は既にフラッペを食べ終えていた。


「あ、マサさん」

「ごめん、なかなか出てこれなくて」

「ううん。忙しい時間に来ちゃってごめんね」


にこりと笑った和美は、気まずそうに時計を見た。


「私ももう行かないと。講義に間に合わなくなっちゃう。水曜日のデート、楽しみにしてるね、マサさん」

「……ああ」


会話時間にして三分。
ウルトラマンってこんな短時間で怪獣を倒していたのか。すげーな。


「お支払い」

「いいよ。俺が出しとく」

「でも」

「いいから」


若干ぎこちなくなった笑顔で扉を出て行く和美を見送る。
厨房に戻ると、注文を聞いて戻ってきた詩子が呆れたような声を出した。


「少しくらい抜けて送って行って上げてもいいのに」

「俺無しで昼は回らないだろ」

「何とかするわよ。……和美ちゃん寂しそうだったのに」

「いいよ。今は仕事中だ」


素っ気なくいい、俺は唇を噛みしめる。

余計なお節介するなよ。
俺は今、上手く和美に優しくする自信がないんだ。


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