ショコラ SideStory
「うん。今あたし宗司さんの部屋にいるんだけど。……遅くなりますって親父に伝えてくれる?」
『そういうこと? ふうん。まあいいけど。宗司くんはちゃんとアンタのこと考えてくれてるのよね?』
「おそらくあたしよりね」
『ならいいわ。隆二くんのことは私に任せなさい。朝まででも大丈夫よ』
「恩に着ます」
にやりと笑って電話を切ると、宗司さんがくすくす笑ってる。
「康子さんに感謝だね」
「そうね。頼りになるわ」
「俺も負けてられないなぁ」
呟きとともに抱きしめられて、彼の肩に顔をうずめる。
ねぇ。好きよ。
大好きよ。
「俺、仕事に一生懸命な詩子さんも、ビール飲んでからから笑ってる詩子さんも好きだけど。最近はこんな時の詩子さんが一番好き」
あたしもよ。
情けない宗司さんも好きだけど。
キスを落とすちょっと色っぽい表情も、労わるような優しさも皆好き。
自分の見た目がどうとか、何も考えずにいられるこの瞬間が、一番大好きよ。