ショコラ SideStory
*
朝食を食べ終え、いつもより長い通勤時間をかけて『ショコラ』へ出勤する。
余裕を持ちすぎたせいか、結局いつもより早く着く。マサも来たばかりらしく、エプロンを着けているところだった。
「あれ、詩子早いな」
「んー」
「なんだよ、しけた返事」
だって元気が出ないんだもの。仕方ないじゃないの。
客が来たら本気出すわよ。
そのまま厨房に向かうと、親父が生クリームと格闘していた。
「おはよ、父さん」
「おう」
まるで何も無かったかのような小さな返事。
いつもなら朝帰りがどうこううるさいくせに、もうあたしのことなんてどうでもいいのかな。
「……掃除するわねー」
「おう」
なんか、親父とも気まずいな。
なんだろ。すごーくしんどい。
仕事したくないな、なんてあたしが思うの、珍しいんだけど。
*
「えーでも、それってお母さんがひどくないですか?」
午後三時、講義が空いたからと『ショコラ』に来てくれたマサの彼女の和美ちゃんを相手に愚痴り倒すあたし。
同意してくれる相手が現れて、ようやく調子を取り戻してくる。
「でしょ? ひどいでしょ? 母さんがお固く生きてきたならともかく、あの人こそ自由奔放に生きてきたのよ?」
「収入が少ないって言っても、二人とも働いてるわけですし。もっとひどい状況でも結婚する人っていますよぉ」
和美ちゃんがちらり、とマサを見る。
マサの収入はあたしよりいいはずだけどね。でも、やっぱり結婚とかには心許無いのかも知れない。
まあ、和美ちゃんはまだ学生さんだから、そこまで考えてもいないだろうけど。
朝食を食べ終え、いつもより長い通勤時間をかけて『ショコラ』へ出勤する。
余裕を持ちすぎたせいか、結局いつもより早く着く。マサも来たばかりらしく、エプロンを着けているところだった。
「あれ、詩子早いな」
「んー」
「なんだよ、しけた返事」
だって元気が出ないんだもの。仕方ないじゃないの。
客が来たら本気出すわよ。
そのまま厨房に向かうと、親父が生クリームと格闘していた。
「おはよ、父さん」
「おう」
まるで何も無かったかのような小さな返事。
いつもなら朝帰りがどうこううるさいくせに、もうあたしのことなんてどうでもいいのかな。
「……掃除するわねー」
「おう」
なんか、親父とも気まずいな。
なんだろ。すごーくしんどい。
仕事したくないな、なんてあたしが思うの、珍しいんだけど。
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「えーでも、それってお母さんがひどくないですか?」
午後三時、講義が空いたからと『ショコラ』に来てくれたマサの彼女の和美ちゃんを相手に愚痴り倒すあたし。
同意してくれる相手が現れて、ようやく調子を取り戻してくる。
「でしょ? ひどいでしょ? 母さんがお固く生きてきたならともかく、あの人こそ自由奔放に生きてきたのよ?」
「収入が少ないって言っても、二人とも働いてるわけですし。もっとひどい状況でも結婚する人っていますよぉ」
和美ちゃんがちらり、とマサを見る。
マサの収入はあたしよりいいはずだけどね。でも、やっぱり結婚とかには心許無いのかも知れない。
まあ、和美ちゃんはまだ学生さんだから、そこまで考えてもいないだろうけど。