ショコラ SideStory

「だから今日も一緒に謝りにいくよ」

「うん」


どきどきしながら、二人で昨日来た道を帰る。
時間的にはもう親父は出勤してる時間なので、向かうのは店のほう。

時刻は8時。
できればマサが来る前に話をつけたいわ?


「父さん、いる?」

「なんだ。放蕩娘」


厨房で何かをいじりながら、顔を向けることもなく返事が来る。

あらら。かなりお怒りモード。
それでも、朝まで一度も電話がかかってこなかったのはさすが母さん。


「マスターお話があります」

「ぬけぬけときやがったな、宗司」

「昨日はお断りも無く詩子さんを外泊させてしまって申し訳ないです」

「外泊とか言うな! 生々しい」


いやいや。普通の言葉っしょ。
生々しいって思うのは、親父の脳内が無駄に妄想してるからよ。


「すいません。でも俺。ハッキリお伝えしておきたいんです」

「……何をだ?」


ようやくこっちを向いた。

うわ。嫌そうな顔してる。
親父はすぐ顔に出るからダメよ。

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