ショコラ SideStory

お母さんとおばあちゃんは楽しそうに笑うと、いきなり真顔になって頭を下げた。


「宗司をよろしく頼むね。都会で一人暮らしなんて、ずっと心配しとったけど、らっくしりたさね」

「え、や、こちらこそ……です。ヤダ、頭上げてください」

「勘弁ね。昨日は少しだけ疑ったとったが。宗司が遊ばれとるんじゃないかねって」

「……お母さん」

「詩子ちゃん、これからよろしくね」


不思議な気分だった。

人は表面だけじゃ分からない。
昨日は歓迎されてるって思ってたけど、疑われてもいたなんて。

あたしは、見た目で誤解されることは慣れてる。
だから、いちいちそれで傷ついたりはしないけれど。

言わなきゃわからないのにそんなことをいうあたりがやっぱり宗司さんのお母さんだと思えて、あたしはなんだかおかしくなって。

笑い出したくなる気持ちを抑えて、頭を下げた。


「こちらこそ、よろしくお願いします」


でも、こんな風に余裕ぶって思えるのも、宗司さんのお陰かもしれない。
あなたがあたしをちゃんと分かっていてくれるから、他の人に誤解されても、落ち着いていられる。

たった一人でも理解者がいてくれるなら、人は強くなれるものなんだわ。


顔を上げると、微笑みを浮かべてあたしを見つめるお母さんとおばあちゃんが見える。

来てよかった。
そんな風に思えたことが嬉しかった。


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