ショコラ SideStory



「じゃあ元気でね。また遊びに来いよー、詩子ちゃん。宗司なんか置いて一人でおいでよ」

「兄さん、うるさい。じゃあまた。皆体に気を付けてね」

「色々有り難うございました」


お兄さんの車で送ってもらったあたしたちは、皆に見送ってもらって、再び電車に乗り込んだ。


「おみやげ届けに、『ショコラ』に行こうよ、帰り」

「うん」


両手いっぱいに持たされたおみやげ袋を抱えて、あたしたちは『ショコラ』に向かう。

もう閉店間際だ。
急がないとマサが帰っちゃう。

『ショコラ』の近くまで来て、店の照明が半分消えているのに気づく。

これは、もう営業は終わっているわね。
年末だし、早く閉めたのかしら。


「父さん、いる?」


扉は、クローズの札がかかっているものの、いつもの鈴の音を鳴らしながら開く。


「あれ、詩子?」


厨房から、親父がでてきた。
腕まくりをして、まだ何か作っているような格好だ。
マサの姿が無いところみると、既に帰ってしまったのだろう。


「お土産持ってきたのよ」

「おう。どうだった? あちらの両親は」

「詩子さんのこと凄く気に入ってくれました」


宗司さんがそう言い、あたしは、「そうよ。反対してるの母さんだけ」と唇を尖らせる。

親父はそんなあたしに苦笑して、手招きした。

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