ショコラ SideStory
「凄い。とっても綺麗」
「うん。凄く悩んで決めたのよ。白とかピンクとか着たかったけど、流石にもう似合わないもんねぇ。……詩子ちゃんなら若いから、真っ白なウェディングドレスが似合うわよ、きっと」
「森宮さんだって似合いますよー」
「残念だけどもう無理よ。着たかったけど、ちょっとね」
言葉の端々に年齢というワードが出るところを見ると、やっぱり気になるものなのかな。
でも、森宮さんって別に二十代って言っても通用すると思うんだけど。
仕事が忙しいせいか肌はちょっと荒れてるけど、スタイルもいいし、お化粧映えする顔だし。
いつも背筋が伸びていて姿勢がいいのが、あたし的にはとても好印象で、まさにバリバリのキャリアウーマン、“格好いい女性”という言葉が似合っている。
女からすれば、こういう人は憧れだけどなぁ。
それから数十分話した後、二人は「じゃあ来週」と店をでていった。
入り口でお見送りしてから、カップを重ねて厨房に入ると、親父が大鍋にお湯を沸かし、野菜を切っていた。
「今から何作る気?」
「夕飯だよ。帰ってから作るのも面倒だから、ここで食って帰ろう」
「それもそうか。……でも母さんの分は?」
「多めに作って持って帰ればいいだろ。どうせまだ仕事してるよ」
「そうね。じゃあメールしておく」