ショコラ SideStory


 定休日である水曜日、いいアイデアが思いつかないあたしは、パソコン前で呻いていた。

【結婚】・【感謝】・【プチギフト】で検索すれば、色々出ては来るけど、結局のところ定番の物が多くてどれも二番煎じという気持ちにしかならない。

ハートのクッキーもドレスのクッキーも、香坂さんが求めるものとは違う気がするわ。


 お昼少し前に、宗司さんから電話がきた。


『気分転換に外に出ない? お昼一緒に食べようよ』


たしかに家にこもっていたところでなにかひらめくとも思えない。


「行くわ」


即答して、すぐに着替えて家をでる。外に出てみれば、冬だというのに日が差していてぼんやり暖かい。
行き詰まっていた気持ちが、少しだけ開放された気分だ。

家を出て少し歩くと、迎えに来ようとしていた宗司さんとかち合い、彼にとっては逆戻りになってしまうけど、並んで駅まで向かう。

あたしの家の周りは住宅街だ。
最近建築中の家の近くを通るところで、母さんの実家の話を思い出した。


「そういえば、家の話だけどね」


いつか安く貸してくれるって、と教えると、宗司さんはちょっと困ったような顔をした。


「格安で……っていうのはありがたいけど。今の俺達に一軒家っているかな」

「あ、でも今すぐじゃないよ。今入っている人が出たら」

「それはそうなんだろうけど」


語尾がごにょごにょと濁る。
あたしはいい話だと思ったんだけと、彼にとってはそうでもない?


「いや?」

「そういうわけでもないんだけど。……なんか、情けないな。俺、皆に助けられてばかりだ」

「助けたいって思わせるのが宗司さんのいいとこだと思うんだけど」

なーんて言ってみたけど、彼はちょっと不満そう。
まあそうね。頼りにならないって言われているようなものだものね。

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