ショコラ SideStory
そのまま新婦控室をのぞきに行く。
忙しいから会えないかなと思ったら、ウェディングドレス姿の森宮ちゃんがちょうど鏡の前にいた。
「あ、康子さん。今日はよろしくお願いします」
「森宮ちゃん、すっごい綺麗。香坂くんにやるの勿体無いわね」
「またまた、康子さんたら、うまいんだから。今着替えたところなんですよ。おかしくないですか?」
いやいや、ホントに可愛いわよ。
シャンパンカラーのAラインのドレスは、彼女のプロポーションの良さを際立たせているし、まとめた髪を飾るピンクベージュの花飾りも可愛らしい。派手なドレス姿ではないけど、彼女にとても似合ってる。
「この髪飾り可愛いじゃない」
「これですか? うん、最初は予定してなかったんですけど、勇気出してつけさせてもらいました」
「なんで勇気?」
「年齢的に、ピンクは可愛すぎるかなぁと思ってて」
恥ずかしそうに頭を抑える彼女に、こめかみのあたりがぴくぴくする。
どうしてそんなに年齢ばかり気にするのかしらね。要は似合うか似合わないかだと思うんだけど。
ファッション誌やっててそんな消極的な心構えでどうするのよ。
「三十四なんてまだまだ若いわ。ピンクだろうがオレンジだろうが好きなものつけりゃいいのよ。それとも私にケンカ売ってる?」
「いやいや、まさか! そんなことないです」
私の苛立ちに気づいたのか、森宮ちゃんは慌てて両手を振る。