ショコラ SideStory
その後、結婚式は滞りなく進み、場所を移しての披露宴となる。
六十名ほど収容できるホールに、円卓が並ぶ。きらびやかなシャンデリアと、ちょうど見上げる高さの施された金のライン細工が豪華さを演出している。テーブルセッティングは白と薄緑を基調としていて、全体的に上品な印象だ。
高砂の脇にはすでにウェディングケーキが飾られている。会場に入った瞬間、目を奪われて息を飲んだ。
大きく広がった土台に、段々に重ねられたスポンジ。通常のデコレーションケーキに比べても相当の枚数がのっかっていて、まるで、ふわりと広がるドレスの裾のよう。ベースを彩るクリームは白で、イチゴクリームでレースのような模様が彩られている。
ところどころにイチゴが配され、一番上に、お花のマジパンに囲まれた新郎新婦のお人形。
その、人形のドレスの模様が、スポンジケーキ部分のデコレーションと一緒で、やっぱりこれはドレスを模しているのだと思った。
「……これ作りたかったんだって、香坂さん」
隣の隆二くんのつぶやきが、耳に入る。私の視線を受けて、意味ありげに微笑んだ。
「白とピンクのドレス。もっと早くに出会っていたら着せてやりたかったらしい」
「へぇ」
森宮ちゃんが気にしていたことを、香坂くんもちゃんと気づいてあげていたのか。
でも、無理に着ろよとは言わなかったんだな?
代わりに、ケーキで表現したってこと?