ショコラ SideStory
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このお店の建物は、もともとは近くの小学校ご用達の文房具店だったらしい。
それが、ご主人の高齢化に伴い売りに出され、買い取ったのがまだ独り者だった雪音さん。
「景色のいいところで暮らすのが夢だったの」
そんな理由で一念発起して越してきた彼女は、黒板に書いた小さな看板だけを出して、アイシングクッキーの通販を始めた。やがて軌道に乗り、せっかく小学校が近いという立地だからとちょっとしたお菓子を売るようになったらこれもまた大人気で。
一応お店の体を整えようというところで、改装を頼んだ時に設計士としてやってきたのが旦那様、玲央さんらしい。
結婚するにあたり、マイホームに夢を持っている玲央さんは当然新しい家を建てようとしたのだけど、
「ここから離れるくらいなら結婚しない」
と雪音さんが断固として言い張り。だけど、玲央さんの願う庭付きの家にするにはこのお店の土地では足りずで。
結論として彼は、ここから徒歩五分のところに土地を買い、自分好みの家を建て彼女を迎えに来たのだという。
その並々ならぬ努力には、さすがの雪音さんもほだされたらしい。
「雪音、ドライだからさぁ。俺、困っちゃった」
語尾にハートマークが付きそうな可愛い言い方で彼は小首をかしげた。
あたしとしては、ドライな雪音さんだからこそ、あなたの可愛らしさに女として負けた気分にならずにいられるんじゃないかと思う。
まあ要は、お似合いってことだ。
このお店の建物は、もともとは近くの小学校ご用達の文房具店だったらしい。
それが、ご主人の高齢化に伴い売りに出され、買い取ったのがまだ独り者だった雪音さん。
「景色のいいところで暮らすのが夢だったの」
そんな理由で一念発起して越してきた彼女は、黒板に書いた小さな看板だけを出して、アイシングクッキーの通販を始めた。やがて軌道に乗り、せっかく小学校が近いという立地だからとちょっとしたお菓子を売るようになったらこれもまた大人気で。
一応お店の体を整えようというところで、改装を頼んだ時に設計士としてやってきたのが旦那様、玲央さんらしい。
結婚するにあたり、マイホームに夢を持っている玲央さんは当然新しい家を建てようとしたのだけど、
「ここから離れるくらいなら結婚しない」
と雪音さんが断固として言い張り。だけど、玲央さんの願う庭付きの家にするにはこのお店の土地では足りずで。
結論として彼は、ここから徒歩五分のところに土地を買い、自分好みの家を建て彼女を迎えに来たのだという。
その並々ならぬ努力には、さすがの雪音さんもほだされたらしい。
「雪音、ドライだからさぁ。俺、困っちゃった」
語尾にハートマークが付きそうな可愛い言い方で彼は小首をかしげた。
あたしとしては、ドライな雪音さんだからこそ、あなたの可愛らしさに女として負けた気分にならずにいられるんじゃないかと思う。
まあ要は、お似合いってことだ。