ショコラ SideStory

まだカーテンを閉めていなかったため、明かりをつけると反射で外が見えなくなる。
蛍光灯がどこか冷徹な光で部屋全体を照らしているからか、昼間の感動は少し冷め、ひんやりとした空気を感じた。


「……なんか、静かだな」


気になるほど、静かなのだ。

基本店にいるし、夜も家族がいるから、完全なる一人になることが、今までのあたしにはなかった。だから気になるのかと思ったけれど、それだけじゃない。街の音があまりしないんだ。

昔は当たり前のように感じていた車のエンジン音、大勢の人のざわめき、そういった音がここにはない。

窓の外を見れば、予想以上に真っ暗だ。小高い位置にあるから、数キロ先の夜景が見渡せる。
綺麗……だけど、逆にいえば、この辺りには明かりがずいぶん少ない。


「もしかして……信号も、ない?」


近くの小学校の明かりは見えるけど、その周りにも信号はない。それくらい、車の往来が少ないってことだ。
だから、お店も早めに閉めちゃうんだ。開けていても、暗くなれば誰も来そうにない。

なんとなく身震いをして、カーテンを閉める。

田舎ってこんな感じなんだ。
宗司さんの実家も田舎だったけれど、あそこは家族がみんなにぎやかだったから、こんなふうに感じることもなかった。

田舎ってのんびりしていて人も温かいけど、こんなふうに孤独を感じることもあるんだね。
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