ショコラ SideStory
でもその一方で、あたしには宗司さんの話を聞く余裕がなかった。
いつも最後は尻切れトンボで、彼の声を聴きながら眠ってしまう。
寝息を確認した宗司さんが電話を切るという一日の終わりが、毎日のように続いた。
恋人同士と言いながら、あたしが頼ってばかりの日々に、不安が芽生え始めていた。
途切れがちな相槌は、不満の表れなんじゃないの?
彼だって疲れているのに、あたしは自分の気持ちばかり吐き出してしまう。
分かっているのに止められないのが不思議なくらいで。
『……やっぱ、会えないときついね』
ある日、宗司さんが弱音のようにぼそりと言った。
それはあたしが一瞬うたたねをしてしまったタイミングで。
寝息が聞こえていたのであろう。あたしが聞いているとは思わずにそうこぼした彼は、そのまま電話を切った。
あたしは、電話をかけ返すことはできなかった。