ショコラ SideStory

ともあれ、急遽来週の火曜からの三日分の休みをゲットした。

これを夜に宗司さんに連絡して、了承してもらえたらすぐ切符を取ろう。
心に決めた、そんな時だ。


ポストにあたし宛の手紙が届いた。
差出人を見て、予想もしていなかった名前に目を丸くする。


「……宗司さん?」


ほぼ毎日電話しているのに、手紙?

シンプルな白い封筒にラベル印刷されたあて名はとても無機質に見えて、一気に血が下がる感覚がした。

え、なにこれ。
今時メールもあるのに、手紙なんてなんで?

ふと頭をよぎったのは、『離縁状』という言葉だった。
そんな古めかしいことするはずないとは思うけど、別れたいなんて気まずい言葉は、電話より手紙の方が言いやすいだろうし。


「まさか宗司さんに限ってそんな……」


と思うけど、最近の自分の態度の悪さには自覚がある。

中身を確認するのが怖い。
もし、別れたいって言われたらどうしたらいいの。

嫌だけど、今のあたし、確かに彼を思いやる余裕が全くない。
一生傍にいて彼を守ろうと思ったあの日の気持ちは本質的には何も変わっていないけど、実際のあたしはこうして彼と離れて彼を思いやれずにいる。実現なんて何一つできてやしない。

手が、震えた。
開けるのがためらわれて、しばらく机の上に放置しておく。

見ないようにしているのに、ものすごい存在感を放つその手紙に、観念して向かい合ったのは、いつも電話するような時間になってからだ。
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