ショコラ SideStory
【詩子さんが大好きです。早く会いたいな。なんて言うと、せかしているみたいですね。でも、無理をさせたいわけじゃなくて、俺は君のことを応援したいんです。結婚したあと、詩子さんが今までのように元気で好奇心いっぱいでいてくれるためには、今は我慢の時だと分かっています。だから会ったときは、少しばかり覚悟しておいてください。優しいだけの男でいられるか、ちょっと自信がありません】
「覚悟ってなんのよ」
血が体中を駆け巡ってくる。
こんな宗司さんの気持ち、一緒にいたときに一言も聞いたことなかったのに。
なんで手紙になったらこんなに饒舌なの?
あたしは、気恥ずかしいやら嬉しいやらで、一人で赤面してしまう。
【会える日を待ってます。きっと今夜も電話で話せるだろうけど、いつものごとく最後までは持たないと思うので、先に書いておきます。
お休み、詩子さん。いい夢を】
「なにこれ、やばい。こんな……」
こんなにあたしのこと、好きなの?
言ったら自惚れもいいとこだみたいなセリフが、あたしの口から飛び出した。
ねぇ宗司さん。
ここまで想われているなんて、あたし、知らなかったよ。
電話を掛ければ、すぐに繋がった。
『今日は遅かったね、詩子さん』
あっけらかんとした、彼の声。
「手紙……届いたわよ」
『えっ、あ、見た? ごめん、書いてるうちにどんどん恥ずかしいことを……』
ホントよ。
こんな愛情ダダ漏れの手紙、初めて見たわよ。