ショコラ SideStory
「……宗司さん、急なんだけど、あたしね、来週お休みがもらえたの」
「来週? ごめん、俺、水曜しか休みないけど」
「いいの、分かってる。丸一日一緒じゃなくてもいい。会えれば」
「詩子さん……」
「会いたいの。顔が見たいの。……それと」
欲しいよ。宗司さんが。
あなたの声が、あなたの手が、あなたに紐づくもの、全部全部。
「宗司さんのお漬物、食べたいし」
最後はちょっと誤魔化して言ったら、宗司さんが反対側で大笑いする。
「そんなに気に入ってたの?」
「うん。あれがないとご飯が進まないって感じ」
「じゃあ、詩子さんが来るとき作っておく。それとビールと、裂きイカと」
「こっちの日本酒買っていくから。宗司さんも一緒に飲まない?」
「詩子さんがいるときに酔いたくないからやめとく」
「なんでよ。あたしだけ酔っ払いにする気?」
「だって酔っちゃったらたくさん見れないじゃん」
何をだ。
と言いながら、あたしもほどほどにしようと心に決める。
せっかく会えるのに、宗司さんを堪能しないなんてもったいないもの。