ショコラ SideStory
*
翌日の水曜日は朝一番で宗司さんと待ち合わせだ。
「海の方へ行こう」なんて予想してなかったことを言われて、電車に乗って移動する。
結婚したら車が欲しいなぁなんて思うあたり、あたしもすっかり車移動に慣れちゃったんだろう。
「ちょっと早いけど」
まだ寒い海風を感じながら、宗司さんは私にジュエリーケースを差し出した。
「え?」
「誕生日、もうすぐだし。婚約指輪も贈り損ねてたから」
うねりのあるデザインで、一番真ん中に大きめのダイヤモンド、その周りが八の字型になっているプラチナリングだ。
「“無限大”っていうデザインなんだって。見た瞬間にこれだって思っちゃって。相談せずに買ってごめんね」
「ううん。そんなの」
あたしはあんまりアクセサリー類はつけない。だから婚約指輪もいらないって思っていた。
でもこうして彼に指にはめてもらえたら、胸にじわじわと興奮に似た気持ちが浮かび上がってくる。
「良かった、ぴった……」
あたしの指に優しい視線を注いでいる横顔を見ていたら、急に欲しくなった。
彼の顔を両手でつかんで、こちらを向かせて唇を押し付ける。
どうしちゃったんだろ。最近のあたし、がっついている。
「詩子さん、外だよ」
そう言いつつ、あなただってあたしを離さないじゃない。
「知ってる。だからキスだけ」
まるで母さんみたい。肉食女子の血は脈々と受け継がれているようだ。
翌日の水曜日は朝一番で宗司さんと待ち合わせだ。
「海の方へ行こう」なんて予想してなかったことを言われて、電車に乗って移動する。
結婚したら車が欲しいなぁなんて思うあたり、あたしもすっかり車移動に慣れちゃったんだろう。
「ちょっと早いけど」
まだ寒い海風を感じながら、宗司さんは私にジュエリーケースを差し出した。
「え?」
「誕生日、もうすぐだし。婚約指輪も贈り損ねてたから」
うねりのあるデザインで、一番真ん中に大きめのダイヤモンド、その周りが八の字型になっているプラチナリングだ。
「“無限大”っていうデザインなんだって。見た瞬間にこれだって思っちゃって。相談せずに買ってごめんね」
「ううん。そんなの」
あたしはあんまりアクセサリー類はつけない。だから婚約指輪もいらないって思っていた。
でもこうして彼に指にはめてもらえたら、胸にじわじわと興奮に似た気持ちが浮かび上がってくる。
「良かった、ぴった……」
あたしの指に優しい視線を注いでいる横顔を見ていたら、急に欲しくなった。
彼の顔を両手でつかんで、こちらを向かせて唇を押し付ける。
どうしちゃったんだろ。最近のあたし、がっついている。
「詩子さん、外だよ」
そう言いつつ、あなただってあたしを離さないじゃない。
「知ってる。だからキスだけ」
まるで母さんみたい。肉食女子の血は脈々と受け継がれているようだ。