ショコラ SideStory


「あら、いいじゃない。似合う似合う。宗司くん、案外趣味がいいわよね」


私のウェディングドレスは、ストラップレスのプリンセスラインだ。
胸のところとドレスの裾のところが百合の花を並べたような形でカッティングされていて、刺繍も入ってシンプルだけど気品がある感じ。

ドレス選びの時、あたしよりも母さんよりも真剣な面持ちで臨んだのが宗司さんだった。

あれもいい、これもいいと、目移りするあたしや母さんにむかって、「シンプルに見えるけどこれの方が詩子さん本人が映えるよ」と言ってくれた彼。

実際、他のに比べればドレス全体の装飾は少ないものの、丁寧な刺繍が顔周りを引き立ててくれて、どれよりもあたし本人をお姫様にしてくた。

あたしも母さんも納得で、このドレスに決めたのだ。

その後も、優柔不断な彼にしては、随分主導権を握って決めていくなぁと思ったら、どうやら離れていた期間に着実に結婚に対する準備をしていたらしい。

あたしにあまりこだわりがないからってのもあるんだろうけど、休みの日に式場巡りを数回して場所を決めたらたら後はものすごい勢いでトントン拍子で決まってしまった。

その間、あたしは彼の質問にイエスかノーで答えるだけでよかった。

彼の部屋で招待状の整理をしていたときに、凄い量の情報誌とまとめ上げたファイルが出てきて、あたしは思わず笑ってしまった。

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