ショコラ SideStory
「続いて、ブーケプルズを行います。未婚の女性の方、是非ともお集まりください」
ブーケプルズとは、ブーケの先に何本ものリボンを出して置き、一本だけがブーケにつながっているというくじ引きみたいなものだ。
ブーケトスの代わりに行われるもので、あたしのブーケはキャスケード型だから、投げるには危ないかもしれないということでこちらを採用した。
式場の人がブーケプルズ用のブーケと交換してくれて、ブーケにつながったリボンを一つずつ手に取る。
友人たちの中では、あたしは結婚一番乗りに近いから十人くらいが集まった。
「じゃあ、せーので引きます。せーの!」
ほとんどのリボンがスルリと抜け落ちるなか、ブーケとつながったのは高校時代の友人だ。
「やったー!」
大喜びする彼女の脇で、残念そうな顔をする友人たち。
和美ちゃんもそのうちの一人で、まだ目を赤くしたまま眉を下げていた。
「ハズレの方もご心配なく。あたしの幸せはちゃんと皆におすそ分けできます。ほら、リボンと交換よ!」
式場の人が、宗司さんにカゴを手渡す。その中にはブーケ型のアイシングクッキーが入っている。
今日のために、あたしが特別に作った自分のブーケを模したクッキー。
「みんなに幸せがやってきますように!」
リボンを受け取りながら、一人一人に手渡す。
クッキーを受け取ったときの、驚きと幸せに満ちた顔があたしの心を躍らせる。