ショコラ SideStory

そのうちに和美ちゃんが来たので、にやりと笑って言ってみる。


「まだ次じゃないみたいだけど、和美ちゃんの結婚式にはあたしも呼んでね?」

「もちろんですー!」


和美ちゃんはほほを染めてクッキーを受け取ると、真っ先にマサに見せに行った。
素直な行動一つ一つが可愛い。
それでデレデレしてるマサを見るのも楽しいしね。


ひとしきり配り終わったところで、雪音さんが尚人くんを玲央さんに預けてやってきた。


「……だから、プチギフトの方は私に頼んだのね? 詩子ちゃんなら自分で作りそうなのにって思ってたのよ」

「残念ーって思うことが、今日はないといいなぁって思って。それにこのアイシングクッキーは、雪音さんのお陰でできるようになったものだし」


はい、とまだ残っていたクッキーを雪音さんに渡す。
彼女はそれをまじまじと見てほほ笑んだ。


「やっぱり宏にいの言った通り、アイデアがいい。あなたはいい職人になるわよ、詩子ちゃん」

「ありがとうご……」


あたしのお礼を聞く前に、尚人くんが泣き出して、雪音さんは慌てて「ごめんごめん」と駈けだしていった。
やれやれと思っていたら、いつの間にか宗司さんが隣にやってきてた。


「いいサプライズだよね」

「宗司さん」

「初めて会った時から、詩子さんには驚かされてばかり」

「そうかしら。あたしだって、あんなに苛ついたの珍しかったのよ。最初にあったころの宗司さん、すっごいどんくさいんだもん」


初めて彼がショコラに来たとき、飲み物一つ決めるのにもたもたする彼に、あたしはあんなにもイライラしていたのに、不思議なものよね、今はあなたがいない方がイライラする。

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