だってキミが好きだった
それは、悲しいことでもあり、安心できることでもある。
私は彼の元カノだから、だから知ってる。記憶を無くした理由も。
知ってるからこそ、私には関わってほしくない。
「もーとーかーのー!」
「分かんないってなんでなのー?」
……あぁもう。うるさい。
私だよ私。何だ悪いか。
もう本当にうるさいな。
私は静かなのが好きなのに。
……仕方ない、静かな場所にでも行こう。
ついでに高校探検でもしようか。今更だけど。
はぁ。私は溜息を一つ吐いてガタリ、と席から立ち上がる。
「あれ。菫どっか行くの?」
「ん?あぁ静かな場所。ここ煩いし。瑞希も行く?」
「私は遠慮する!景山くんにアタックするためにも!!!」
「……そっか。頑張ってね」
「あったり前じゃなーい!」
グーと親指を前に出す瑞希。
それを見て複雑な気持ちになってしまう。