だってキミが好きだった
もし、瑞希に言ったらどうなるんだろう。
景山 千早は、一ヶ月前に別れた、私の元彼だよ。って。
きっと、すんごい驚いてきゃーきゃー騒ぐんだろうなぁ。
まぁ、言わないけど。と、いうか言えない。
言うことは、出来ない。
「そんじゃ、私行くねー」
「行ってらっさい!」
「んー」
前に座る瑞希に背を向けて、私はすぐ近くの扉に手をかける。
廊下側の一番後ろは、こういう時便利だ。
――ガラリ。
いつも通りに開けた扉は、音がしたかしてないかも分からない。
それぐらい、クラスはうるさい。
“彼”の、せいで。