花蓮【完結】
「麻美はさ、一人で抱え込む癖あっからさ。
きっと、哲さんのこと好きなのに付き合えないんだろうなって。
琴子と話してた。
ほんと、バカだよ。
付き合えばいーのに」


「あたしは佐緒里とか、ことみたく器用じゃないの」


「何言ってんの!
ことも私も器用じゃねーから!」


「え?」




呆れた顔であたしを見て、佐緒里はいーい?と言って人差し指を立てる。



「好きで何も手につかないとか、そんなんあった方がさ。
人間らしーじゃん!
そんなんで麻美を幻滅するなんてことないし。
むしろ、そんな可愛い一面あったのかと好感度急上昇?」



ファンまた増えるかもね~と、そう言ってふはっと笑う佐緒里。





あー。
あたし。
とことん一人で頑張ろうとしてたなあ。
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