花蓮【完結】
いつだって冷静に対処できてたけど。


こんな真剣な告白に動揺を隠しきれなくて。





小刻みに手が震えてることに気付く。




寒いからだけではない。







何で?



何で震えてるの?










震えの理由もわからないまま、あたしはあたしの手を握り締める。





心臓の鼓動がどくどくとうるさい。





今までどんな相手に喧嘩を売られたって震えたことなんてなかった。





だから、本当に初めてのことにどうしたらいいのか全くわからなくて。








ゆっくり近付く哲から逃げることも、後ずさることも出来ずに。








目の前まで来て、ようやく顔が見えるようになる。


その顔は少しも笑ってない。




いつもみたいなちゃらちゃらした雰囲気は一切ない。






真剣で、あたしの心を射抜くような瞳で。



じっと見据える。




その瞳から視線を逸らせない。
< 71 / 368 >

この作品をシェア

pagetop