プレイボーイとのラブバトル?②短編
静かで少しきまずい空気が
俺たちをつつみこむ。
「...石川くん。昨日の彼女ですか?」
「えっ!?彼女!?ちっ違う!
全然彼女なんかじゃない!」
俺は愛梨ちゃんの前で
否定をし続ける。
「...じゃあ、彼女でもないのに
キスなんてできちゃうんですね。」
愛梨ちゃんは俺を小ばかに
したように鼻で笑った。
「っ.....そんな...別に
あれはあっちから...してきて。」
こんな言い訳をする奴なんて
かっこ悪い男くらいだ。
俺もそれに分類されるんだ。
「.....そうですよね。わかってます。
石川くんからしたわけじゃないし...
無理矢理されてたし...でも...
でもっ.....。」
愛梨ちゃんは目に涙をためて
こっちをみた。
「私っ...私っ...。」
─キーンコーンカーンコーン...
.....。
「っ///じゃっじゃあ...また!」
「あっ!ちょーっ!...。」
愛梨ちゃんはチャイムが鳴ったせいか
図書室から飛び出していってしまった。
俺は愛梨ちゃんをおいかけることも
できずその場でただ座り込んで
つかもうとした手を
ぼんやり見ているだけだった。