二重人格神様




「お父さん、この話をすると龍神様なんて架空の話だって怒るからあまり大きな声では言えないんだけど…」


「…はい」


「銀髪の美形が言うことは、かなり当たるのよ。近所の奥様なんてね、商店街に行く時に龍神様にあい、行かないほうがいいって言われたの。半信半疑だったみたいだけど、噂もあったから行かなかったんだけど、その数分後に交通事故があったのよ」


「そ…そうなんですか?」


「そうなのよ!それに、3軒隣りの田中さんなんて、おばあ様が倒れて医師に回復する確率は少ないなんて言われて、必死にあの岩に願ったら、彼に出逢い、何気なく話をした翌日にはケロッと治ったのよ」


「………」


「ほかにも、会って助けてもらった話は沢山あるの。もともと、あの岩に願いことをすると叶うって伝承もあるからね。それで余計にあの美形は龍神様だって言われてるの。だから、いーちゃんも、龍神様に会えてラッキーだったじゃない」


「……」


ら、ラッキーなのかはわからないけれど


それが、本当…いや、おばさんが言うから真実なんだろうけれど、すごい



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