二重人格神様
グレン君の前に膝をついて座り、前髪を手にもつと彼のオッドアイが僅かに揺れる
「うん…かっこよくしてねっ」
「えー、どうだろう。曲がるかも」
「えっ!?だ、駄目だよっ」
「ふふ、冗談だから!」
これでも、自分の前髪くらいなら自分で切っていたんだから、大丈夫
グレン君にピースサインを送ると、グレン君はホッとしたのか穏やかな笑顔をする
「なんだっ、良かったぁ」
「大丈夫だよ」
そう囁き、鋭いハサミで前髪を切るとヒラヒラと太陽の光に反射しキラキラ光りながら床に落ちていく
ぱっつんにならないように、一つのハサミで器用に段をつけ可愛らしい顔のグレン君に似合うように切っていく
なんて言うか…断髪式…そんな雰囲気を漂わせながら、私はグレン君の前髪を切り続けた…
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